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こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの箭吹雅代です。

さて、今日のテーマは「どう変わる?2022年からの年金制度~改正ポイントを分かりやすく解説~」です。

年金制度が2022年から変わります。どう変わるの?私には関係ある?気になるところです。

そこで今日は2022年からの年金制度がどう変わるのか、改正のポイントを分かりやすく解説していきたいと思います。

もくじ

2022年から年金制度が変わる

2022年に年金制度が改正されます。

ここで気になるのが、どう変わるのか、自分の将来の年金にどう影響するのか、ですよね。

今回の年金制度改正、主なポイントは4点。

  1. 被用者保険(厚生年金保険、健康保険)の適用範囲の拡大
  2. 在職中の年金受給の在り方の見直し(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
  3. 受給開始時期の選択肢の拡大
  4. 確定拠出年金の加入可能要件の見直し

一つずつ見ていきましょう

1.被用者保険(厚生年金保険、健康保険)の適用範囲の拡大

正社員であれば厚生年金に加入していると思いますが、パート・アルバイトなど、短時間労働者の場合、厚生年金への加入には一定条件があり、その全てをクリアした場合、厚生年金へ加入することとなります。

2022年からはこの加入条件が緩和され、厚生年金加入者の範囲が拡大されます。

現行制度の加入条件と2022年改正ポイントを比較すると以下の通りとなります。

2.在職中の年金受給の在り方の見直し(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)

①厚生年金の支給停止条件の見直し

年金を受給しながら働く場合、収入が一定額を超えると、老齢厚生年金の一部もしくは全額が支給停止となります。(老齢基礎年金は全額支給されます。)

会社員は第2号被保険者にあたり、国民年金と厚生年金の二階建てになっていますが、このうち厚生年金にあたる部分の支給額が減額されるのです。

この条件は年齢と収入額によって決まっています。

現行制度では、60歳~64歳の方の場合、賃金と年金額の合計が月28万円を超えると支給額の一部または全部が停止となります。

65歳以上の方については、月47万円を超えた場合に一部支給停止となります。

2022年からは60歳~64歳の方も65歳以上の方と同じで支給停止の条件が47万円を超えた場合に変更されます。

一部ではありますが、支給停止条件を緩和することによって、年金受給世代の働く意欲につなげるということだと思われます。

②在職定時改定

老齢厚生年金受給者が厚生年金に加入しながら勤務すると、納める保険料が増えている分受給額も増えるのでは?と思うかもしれませんが、そうは問屋が卸さない。

現行制度では、すぐに年金額が増えるわけではなく、退職するか、70歳に到達してから増額されることとなります。

これが2022年からは変更となり、毎年1回(10月)改定され、それまでに納付した実績が反映されるようになります。

厚生労働省によると、この改定により、例えば標準報酬月額10万円で1年間就労した場合年間7,000円程度、標準報酬月額20万円の場合は年間13,000円程度、標準報酬月額30万円の場合は年間20,000円程度年金が増えることになります。

3.受給開始時期の選択肢の拡大

現行制度では、年金の受取年齢を±5歳繰り上げ・繰り下げ出来ることとなっています。

つまり、原則65歳からの受給のところ、60歳~70歳までの間で受給開始を早めたり遅らせたりできます。

そして60歳~64歳の間に受給 (繰上げ受給)する場合は、1か月繰り上げるごとに0.5%減額されます。つまり、最大30%減額となります。

一方、66歳~70歳の間に受給(繰下げ受給)する場合は、1か月繰り下げるごとに0.7%増額されます。つまり、最大42%の増額となります。

これが2022年からは減額率の引き下げと繰下げできる年齢の拡大がされます。

①減額率の引き下げ

2022年からは繰上げ受給をした場合の減額率が0.4%に引き下げられます。(現在0.5%)

つまり、5年間で最大30%の減額だったのが、最大でも24%の減額で済みます。

②繰下げ年齢の拡大

2022年からは受給開始年齢を最大75歳まで繰下げることができます。(現在70 歳まで)

繰下げ受給した場合の増額率は変更がないのですが、繰下げ期間が延びることにより、増額率は最大84%になります。(現在最大42%)

さて、ここで肝心なのは、75歳まで繰り下げて受給した場合得するのは何歳から?ということです。

計算は省きますが、75歳から受給した場合、87歳より長く生きれば受け取れる年金が多くなりそうです。

厚生労働省によると、2019年の日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳ですので、75歳まで繰り下げることが必ずしもオトクとは限らないかもしれません。

4.確定拠出年金の加入可能要件の見直し

①加入可能年齢の変更

確定拠出年金は企業型と個人型があります。

個人型確定拠出年金はiDeCoという名称の方が馴染みがあるのではないでしょうか。

国民年金・厚生年金が公的年金であるのに対し、確定拠出年金は私的年金なので、加入は強制ではなく任意です。

この確定拠出年金への加入可能年齢が2022年から引き上げられます。

変更点は以下表の通りです。

また、受給開始年齢も現行制度では60歳~70歳ですが、2022年からは60歳~75歳と拡大されます。

②加入条件の変更

現行制度では、企業型DCの上限金額は月額55,000円で、この者がiDeCoに加入する場合の上限金額は月額20,000円と定められています。

さらに企業型DC加入者がiDeCoに加入するためには労使合意の上、企業型DCの上限金額を35,000円に引き下げる必要があります。

ややこしいですね。

このような制度下では、企業型DC加入者はほとんどiDeCoには加入していない状況でした。

そこで、2022年からはわざわざこんなややこしい手続きを経ないでも企業型DC加入者がiDeCoに加入できるようになります。

企業型DCの掛金とiDeCoの掛金の上限は合計月55,000円ですが、上限額から企業型DCの掛金を引いた残りの額でiDeCoが加入できるようになります。(ただしiDeCoの上限は月20,000円です。)

③簡易DC・iDeCoプラスの対象拡大

中小企業向けに設立手続きを簡素化した簡易DCや、企業年金の実施が難しい中小企業iDeCoに加入する従業員に追加で事業主掛金を拠出することが出来るiDeCoプラスというものがあります。

これらは現行制度では、従業員規模が100人以下の企業に限られていますが、2022年からは300人以下の規模まで対象が拡大されます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の改正について、対象となる場合は、2022年までにどのように変わるのか、どの点が自身に影響してくるのか、確認しておくことが大切です。

人生は人それぞれであるように、家計もそれぞれです。

自分にあった家計診断をプロに相談して将来に備えてみてはいかがでしょうか。

家計の健全化は、将来の生活の安心につながります。

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